水平線の彼方まで、目にとまるものなし。
紺碧の蒼穹には、太陽が狂ったように笑う。
清冽なとのこ色の水が、膨張してせかれるように走る。
風が立ち、心地よい。
この広大無辺の水球に遊ぶ、
釣り人たちは、
ドットール(医者)の船に、片山領事、愚息と私、
それに労働者ひとり。
近くに一艘の僚船。
私は、先ほど推測20キロのシャリョウ(ヒラアジ)
を取り逃がしたばかりだ。
しかし、落ち込んでいるわけには行かない。
ドラマは始まったばかりだ。
前編は、日記が行方不明になり、写真などを掲載して
お茶をにごし、 ここまでで筆を折っている。)
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